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事業年度終了届(決算変更届)とは?期限と主な必要書類

2026-07-23 公開 | 執筆:高林栄二(行政書士・高林栄二行政書士事務所)

事業年度終了届(決算変更届)とは

事業年度終了届とは、建設業許可を受けている事業者が毎事業年度の終了後に必ず提出する届出です(建設業法第11条第2項)。呼び名は都道府県によって異なり、愛知県では「事業年度終了届」と呼ぶのが一般的です。他の地域では「決算変更届」「決算届」などとも呼ばれますが、内容は同じものです。

「変更届」という呼び名もありますが、何かを変更したときだけ出すものではありません。決算を迎えたら毎年必ず提出する、建設業許可業者の義務です。

提出期限

事業年度終了後4ヶ月以内です。法人・個人事業主のどちらも同じです。

下の表の「税務申告の期限」は法人の通常の申告期限を前提とした例です(申告期限の延長の特例や、期限が休日にあたる場合の取扱いは考慮していません)。個人事業主の税務申告の期限は異なり、所得税は原則として翌年3月15日、消費税は原則として翌年3月31日です。

決算月税務申告の期限(法人・2ヶ月以内)事業年度終了届の期限(4ヶ月以内)
3月決算5月末まで7月末まで
6月決算8月末まで10月末まで
9月決算11月末まで1月末まで
12月決算2月末まで4月末まで

法人の場合、税務申告(決算後2ヶ月)より2ヶ月あとに事業年度終了届の期限が来るため、「税理士の申告が終わってから準備を始める」流れで間に合います。個人事業主の場合は12月決算・翌年4月末期限となり、所得税の申告(3月15日)から1か月半ほどしかない点に注意してください。

主な必要書類

法人(愛知県知事許可)の場合、どの会社にも共通して必要になる主な提出書類は次の5区分です。

  1. 事業年度終了届出書 — 表紙にあたる書類(書き方は「事業年度終了届出書の書き方」参照)
  2. 工事経歴書(様式第2号) — その期に施工した工事の一覧
  3. 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
  4. 財務諸表(様式第15号・第16号・第17号・第17号の2) — 貸借対照表・損益計算書(完成工事原価報告書を含む)・株主資本等変動計算書・注記表
  5. 事業税の納税証明書 — 直近の事業年度分。知事許可の場合は、県税事務所が発行する「納付すべき額及び納付済額の記載のある証明書」が必要です

このうち最も手間がかかるのが4の財務諸表です。税理士が作成した一般的な決算書(税務申告用)をそのまま添付することはできず、建設業法で定められた独自の様式に勘定科目を組み替えて作成し直す必要があります(売上高→完成工事高、売掛金→完成工事未収入金 など)。

なお、納税証明書は税務申告・納付の直後だと県税事務所側にデータが反映されておらず、すぐに発行できない場合があります。申告から少し日を置いてから取得するとスムーズです。

ただし、この5区分だけで完結するとは限りません。会社の形態や決算期中の変更に応じて、次の書類が加わります。

書類提出が必要になる場合
事業報告書(任意様式・写し可)株式会社は毎期添付します
附属明細表(様式第17号の3)株式会社のうち、資本金が1億円を超えるもの、または直前の貸借対照表の負債合計が200億円以上のものが添付します(有価証券報告書の提出会社は、その写しの提出をもって代えることができます)
使用人数(様式第4号)、定款または議事録、健康保険等の加入状況(様式第7号の3)など営業所・役員・従業員数などに変更があった場合に、変更内容に応じて同時に提出します

個人事業主の場合は、貸借対照表が様式第18号、損益計算書が様式第19号になり、株主資本等変動計算書・注記表・事業報告書・附属明細表はいずれも不要です。

出さないとどうなる?3つのリスク

  1. 許可の更新ができない — 更新申請にあたっては、前回の許可申請(または前回の更新申請)から今回の更新申請までの間に到来したすべての事業年度分の事業年度終了届が提出されている必要があります。未提出の年度が1つでもあると更新申請を進められません。許可の有効期間は5年なので、「更新直前にまとめて作成」となると、財務諸表を5期分前後まとめて作ることになり大変です
  2. 業種追加・経営事項審査ができない — 公共工事に必要な経審も、事業年度終了届の提出が前提です
  3. 罰則の対象になる — 届出を怠ったり虚偽の届出をしたりした場合、建設業法上の罰則(6ヶ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。建設業法第50条第1項第2号)の対象になり得ます

提出方法は3つ

方法向いている人費用感
自分で作成(完全手作業)時間があり、様式の組替えルールを学べる方0円(作成・確認の時間コスト大)
自分で作成(サポ10を活用)手間を抑えて自分で作成したい事業者・業務を効率化したい行政書士無料から(決算書PDFから自動転記)
行政書士に依頼(完全外注)書類作成から提出まで任せたい方数万円程度

サポ10は、決算書PDFをアップロードすると建設業財務諸表の様式に自動転記するWebサービスです。
財務諸表作成の時間を大幅に短縮できます。出力されるのはあくまで下書きですので、元の決算書と照合し、必要な補足・修正を行ったうえでご提出ください。

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よくある質問

Q. 工事をしていない年度も提出が必要ですか?
A. 必要です。工事実績がなくても「実績なし」として毎年提出します。
Q. 個人事業主も対象ですか?
A. 建設業許可を受けていれば、法人・個人を問わず毎年提出が必要です(個人は様式が一部異なります)。
Q. 過去分を出し忘れていました。今からでも出せますか?
A. 出せます。むしろ更新申請までに全期分の提出が必須なので、気づいた時点で早めの提出をおすすめします。
Q. 工事経歴書の書き方に決まりはありますか?
A. あります。記載する工事の並び順や元請・下請の区分、金額の税込・税抜の統一など、手作業だと間違えやすい細かいルールが定められています。詳しくは別記事「工事経歴書の書き方」で解説しています。

根拠条文・参考資料

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